竹刀の柄が抜けない理由と対処法|空気を入れるだけで解決?
剣道を長く続けていると、竹刀の柄(つか)がなかなか抜けずに困る場面に出くわすことがあります。力を入れてもびくともしない……。
実はこの現象、「空気の抜け」による負圧が原因で起きていることがあるのをご存知でしょうか?
この記事では、剣道歴30年以上のワタクシが、竹刀の柄が抜けなくなる理由と、そのシンプルかつ安全な対処法を、できるだけわかりやすく解説します。
画像提供:東山堂 竹刀解説ページ
なぜ柄が抜けなくなるのか?
竹刀の柄は、竹の内部にしっかりと差し込まれて装着されています。使用環境や保管状態によって、以下のような要因で抜けにくくなることがあります。
- 湿度の影響で竹が膨張
- 乾燥によって締まりすぎる
- 長年の使用による密着や変形
- 内部の空気が抜けて真空状態(負圧)になっている
特に最後の「負圧状態」は、竹と柄の間に空気が入り込まず、真空のように吸い付いてしまう現象です。これはちょうど、吸盤がガラスにピタッと張り付くのと同じ原理です。
空気を入れてみると、あっさり抜ける
このような場合、力任せに引っ張るのはおすすめできません。無理に抜こうとすると、竹が割れたり、柄が変形したりする恐れがあります。
そこで試してほしいのが、「空気を入れてみる」というシンプルな方法です。
具体的な手順
- 竹と柄のわずかな隙間に、竹串や細いプラスチック板を軽く差し込む(空気の通り道を作る)
- その隙間に向かって、ストローやブロアーでやさしく空気を送る
- 柄を軽く回しながら、ゆっくりと引き抜く
注意点
- 鋭利なものを使用しない(内部を傷つけないため)
- 潤滑油や接着剤のようなものは使用しない
- どうしても抜けない場合は、専門の武道具店に相談を
実際に試してみた結果
筆者も長年の間に何度か柄が抜けなくなったことがありますが、この空気挿入法を試してみたところ、拍子抜けするほどスッと抜けたことが何度もありました。
一見難しそうなこの作業も、実はとてもシンプル。力任せではなく、理にかなった方法で安全に対処しましょう。
まとめ
- 竹刀の柄が抜けない原因のひとつは負圧による密着
- 空気を入れるだけで、吸着が緩んで簡単に抜けることがある
- 無理せず丁寧に、安全に作業を行うのがポイント